ベビー用品専門店やネット通販などでよく見かけるドーナツ枕。赤ちゃんの頭のゆがみ防止の効果を期待して利用する方も多いようです。
今回は、そんなドーナツ枕について調べてみました。
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ドーナツ枕とは?頭のゆがみには効果はあるの?
口コミや個々の経験談では、ドーナツ枕やベビー枕が頭のゆがみを予防するのに効果があるとされることがあります。しかし、現時点ではこれに科学的な裏付けは不足しています。さらに、アメリカのFDA(医薬品や医療機器の安全性・有効性を規制する政府機関)は、赤ちゃんの頭のゆがみを予防・治療するための枕の使用に対して慎重であるよう呼びかけています。
[voice icon=”https://lumpen.tokyo/wp-content/uploads/2023/12/cropped-icon2.png” name=”ぽんこつパパ” type=”l icon_black/icon_blue/icon_yellow/icon_red”]普通に効果ありそうな形しているけど、科学的な根拠はないのか。[/voice]
ドーナツ枕の危険性に関する注意喚起について
まず第一に、ドーナツ枕やベビー枕の使用が、乳幼児突然死症候群(SIDS)などの窒息リスクを増加させる可能性があるためです。
枕の周りに顔を押し付けたり、枕の隙間に顔を挟ませたりすることが原因で窒息事故が発生する危険性が高まります。
第二に、これらの枕の安全性と有効性が科学的に証明されていないことです。
ドーナツ枕やベビー枕は、乳幼児が仰向けに寝る際に後頭部を包み込むようにデザインされています。
しかし、赤ちゃんの頭の形状や対称性の改善、他の病状の予防や治療に対する実証された効果は存在していません。
日本でも同様に、これらの枕に関する有効性や安全性の検証が不足しているため、使用に際しては慎重な注意が必要です。
[voice icon=”https://lumpen.tokyo/wp-content/uploads/2023/12/cropped-icon2.png” name=”ぽんこつパパ” type=”l icon_black/icon_blue/icon_yellow/icon_red”]確かに少し目を離すと、毛布とかが顔にかかってたり、咥えたりしてるから危なそう。[/voice]
乳児突然死症候群とは?
乳児突然死症候群(SIDS)は、1歳以下で健康に見える乳児が睡眠中に突然亡くなる現象です。
日本ではおおよそ出生6,000~7,000人に1人と推定され、特に生後2ヶ月から6ヶ月に多発します。
SIDSに関連する危険因子は一部把握されていますが、まだ確実な予防方法は確立されていません。
ただし、SIDSによる死亡数は、乳児をうつ伏せ寝や横向け寝ではなく、あお向けに寝かせることで劇的に減少しています。
さらに、母乳で育てられている赤ちゃんはSIDSの発生率が低い傾向があり、喫煙はSIDSの危険因子とされています。
これらの事実は、対策としてあお向け寝や母乳育児を奨励し、喫煙の回避が重要であることを示唆しています。
ドーナツ枕を利用しない場合の寝かせ方について
米国小児科学会(AAP)は、安全な睡眠環境の確保のために、乳児が仰向けに寝かせられ、平傾斜のないベッドを使用し、枕、おもちゃ、柔らかい物、緩い寝具を避けることを勧告しています。
同様に、日本の消費者庁も赤ちゃんの寝具について以下の3つのポイントに留意するよう呼びかけています。
敷き布団やマットレスなどは、固めのものを選択ぶ
柔らかい寝具は、赤ちゃんがうつぶせになった際に顔が埋まり、窒息の危険性があるためです。
掛け布団は、赤ちゃんが払いのけられる軽いものを使用
顔に被らないように配置する必要があります。顔を覆うようなものは寝具の周りに置かず、いつでも赤ちゃんの顔が見える状態を保つようにします。
ひも付きの枕やよだれかけを近くに置かない
寝ている赤ちゃんの顔の近くにひも付きの枕やよだれかけを置かないようにします。
これらのアイテムが赤ちゃんの首に絡まり、窒息の危険性があるためです。
ドーナツ枕を選ぶ5つのポイント
ドーナツ枕の選び方について、いくつかの重要なポイントがあります。
サイズの選定
赤ちゃんの月齢や成長スピードに合わせた適切なサイズを選びましょう。
サイズが合わない枕を使用すると、赤ちゃんの姿勢が不自然になり体への負担がかかる可能性があります。
特に首がまだ安定していない時期には、呼吸が妨げられる可能性があるため注意が必要です。
寝返りに対応した設計枕を選ぶ
生後4〜6カ月ごろから寝返りを始めます。
寝返りの個性や頭の形・サイズには個人差があるため、赤ちゃんに合った枕を選びましょう。
例えば、大きく寝返りをする赤ちゃんには横幅が広い枕が適しています。
お手入れのしやすさ
頻繁に汚れる可能性が高いため、お手入れが簡単で丸洗いできるものを選びましょう。
枕カバーが取り外し可能で、枕本体も丸洗いできると便利です。
枕カバーの素材に注意
カバーの素材は肌触りが良く、通気性・吸水性があるものを選びましょう。
赤ちゃんは寝ている間に汗をかきやすく、デリケートな肌なので、低刺激で清潔な素材が重要です。
例えば、綿100%やパイル生地、ガーゼ素材、竹繊維、メッシュ素材などが適しています。
枕の中身の特性
枕の中身はふかふかすぎず、沈み込みすぎない適度な硬さが大切です。
軟質ウレタンフォーム、ポリエステル綿、ジェルトロン素材、3Dポリゴンメッシュなど、赤ちゃんの成長段階や好みに合わせて選びましょう。
これらのポイントを考慮して、赤ちゃんにとって安全かつ快適なドーナツ枕を選ぶことが大切です。
それでも気になる!ドーナツ枕厳選3選
ジェルトロン ベビー枕
ジェルトロンは、ミネラルオイルとポリマーから製造された、グミ状のジェル素材です。元々は宇宙船の衝撃緩衝材の研究から生まれたもので、その特性を利用して開発されました。
このジェル素材は、触感がやわらかすぎず硬すぎず、グミのように柔軟に変形して体に合わせ、一定の圧力でしっかりと支えることができます。そのため、赤ちゃんの頭部を安定してサポートします。また、アレルギーやダニ・カビの心配がない安全な素材で作られた枕です。
エスメラルダ インサート式ドーナツまくら
エスメラルダの赤ちゃん用ドーナツ型枕は、おしゃれな柄やカラーのバリエーションが豊富に揃っています。お部屋や寝具のスタイルに合わせて、コーディネートを楽しむことができます。さらに、取り外し可能なインサートパーツが備わっており、高さを調節して向き癖を矯正することが可能です。通気性が優れており、丸洗いもできる素材で製造されているため、いつでも清潔な状態を維持しやすい枕です。
赤ちゃん専用枕 ジオピロー
枕とカバーにエアーメッシュ素材を使用しています。赤ちゃんの肌への刺激も少なく、首の筋肉にも無理な力が加わりません。
通気性がよく、快適な温度・湿度を保ってくれるので、絶壁対策にはもちろん、汗をかきやすい赤ちゃんのあせもも予防できるでしょう。
カバーは、ブルーの無地と選べる柄物の2枚が付属しています。カバーだけでなく、枕本体も丸ごと洗えるので、お手入れの手間が掛かりにくいでしょう。
ドーナツ枕 まとめ
ドーナツ枕は、適切に使用することで赤ちゃんの頭部の絶壁や向き癖、ミルクの吐き戻しなどの問題を予防できます。
しかしながら、未発達な赤ちゃんは非常にデリケートであり、誤った寝かせ方や枕の選び方によって思わぬ悪影響が生じる可能性があります。
紹介したおすすめ商品を参考にしつつ、ドーナツ枕の正しい使い方を理解し、赤ちゃんを安全かつ快適に寝かせるよう心掛けましょう。
[voice icon=”https://lumpen.tokyo/wp-content/uploads/2023/12/cropped-icon2.png” name=”ぽんこつパパ” type=”l icon_black/icon_blue/icon_yellow/icon_red”]我が家ではドーナツ枕はほとんど利用しなかったけど、寝づらそうに見えたりもするから、使ってみるのはありかも。[/voice]
参考:
Vol.529 赤ちゃん用の寝具に適しているのは、ふかふか? それとも固め?|消費者庁